請求書の電子化とは?

「請求書の電子化」についてご説明します

ここ数年、請求書の電子化というキーワードが話題となっています。 電子化でコスト削減ができたとか、便利になったなど事例も出てきています。 しかし、「電子化」には2つのパターンがあり混乱されているケースも見受けられます。どちらのことか確認しないと、不要な誤解を招く恐れがあります。 そこで本稿では、「請求書の電子化」についてご説明いたします。

請求書電子化の2つのパターン

【発行】・自社で請求書を発行し相手先に送付する場合。
・紙を送付するのに替わり、PDFやWebといった電子ファイルで配信する。
【受け取り(保管)】・相手先から請求書を受領し自社で保管する場合。
・紙で保管するのに替わり、スキャンした電子ファイルで保管する。

請求書発行における電子化

請求書発行業務に関するコスト削減および事務負担軽減のため、紙で発行していた請求書をインターネットサイトからダウンロードする方式に切り替える企業が増えています。
クレジットカード会社や通信関連会社、ネット通販といった主に個人宛に請求書を発行している企業ではあたりまえのように普及していますが、企業間での請求書発行は、 請求書受取先の了解も必要なことから紙の請求書を郵送する方式が一般的です。
最近では、紙よりも早く届き、過去の請求書も探しやすくなるといった受取先のメリットが認知されてはじめているため、普及することが見込まれています。
ちなみに請求書は、はじめからパソコンとソフトウエアを使ってデジタルデータとして作成されているのものであり、文字データを持っていることから、このような文書は「電子文書」と呼ばれています。
PDFに変換した場合でも、文字データといった「コード情報」を保持しています。

請求書受け取り(保管)における電子化

紙で保管している請求書をスキャンし電子化することで、検索の利便性を高めたり、原本を倉庫に移動することによりスペースの有効活用が図られるといった理由で、金融、生損保業界など書類の多い企業において、電子化が進んでいました。しかし、法律としては「紙」が必要なため、原本は廃棄できないでいました。
2005年4月にe-文書法が施行され、一定の保存要件を満たすことで書類のスキャナー保存が可能になり原本が廃棄できることから、電子化の普及が期待されていましたが、法律を適用するための保存要件がとても厳しく、法律施行2年経過後もわずか34件しか国税庁に承認されていませんでした。
その後、2015年1月14日に「平成27年度税制改正の大綱」が閣議決定され、7月に保存要件の大幅な規制緩和が通達され、「適正事務処理要件」を満たすことで、2016年1月1日から受領・発行した税務書類から電子化の対象とすることができるようになりました。
その後、さらに規制が緩和され、一気に普及が進むことが期待されています。
しかし、法律の要件を満たしていない会計ソフトを使用してスキャナー保存を行った場合は、税法上の保存義務に違反することになるため、法令で定められた要件を満たし、税務署長等の承認を受ける必要があることが正しく企業に伝わっていないといった問題も発生しています。
ちなみにJISの定義では、紙のアナログ文書をスキャナーでデジタルデータに変換したものであり、「電子化文書」と呼んでいます。PDFに変換した場合、文字データは保持しておらず、「イメージ情報」となります。

最後に

当社には、文書情報管理士の資格認定者がおりますので、請求書の受け取りに関してのご相談もお受けいたします。

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