外字とは…? 簡単にご説明します。

外字ってなに?外字とは…?

本記事では「外字」について簡単にご説明します。

外字とは?

簡単に言えば「外字」とはPCなどの文字入力ソフトに登録されていない文字で、ユーザーやメーカーが独自に追加した文字のことです。 外字はWindowsなどであれば必要に応じて追加が可能です。
ユーザーでは、特殊な漢字や記号などPCに使いたい文字が無いときは、文字作画ソフト等を使って登録することができます。(これをユーザー定義文字と言います。)またメーカーでは絵文字や特殊な漢字などの、特定の機種などの環境の下で使える特別な文字(記号)を登録しています。(これを環境依存文字や機種依存文字といいます。)特にさまざまな漢字を扱う自治体では多く利用されています。

どのように使えるの?

PCなどの文字環境に無い、さまざまな文字を使うことができる便利な外字ですが、登録した文字は、世の中のすべてのPCで表示されるわけではありません。
むしろ表示ができるのは限定された環境で、同じ文字が同じように登録された文字環境の中でしか表示することができません。なぜなら文字は、データ文字の形(「あ」など図や画像)自体を保存したり、送ったり、といったやりとりをしているわけではなく、各PCに登録している環境の中で、文字にひもづいた文字コードというルールがあり(例:「あ」→SJIS 82A0)、その文字コードから呼び出して表示しているからです。
あらかじめシステムにある文字は、16進数で表現されているコードをもって文字コードが割り当てられていますが、外字では指定の領域内であれば自由にユーザーやメーカーにより任意に割り当て対応することができます。

なぜ必要なの?

近年、日本では、多くの文字環境はJIS規格のShift_JISを標準としており、そこに含まれない文字を「外字」と定義する場合も多く見受けられます。
JIS規格は日本の国家規格で、国際規格(ISO/IEC 10646)にも対応しています。このJIS規格の中でも幅広い文字を使用できるShift-JISには1万文字以上が文字コードとして登録されており、インターネットや印刷などに活用されており、私たち
の生活を支えています。
しかしこの規格ですべての文字が使えるわけではありません。漏れなく文字が使用できるよう、国、企業を超えたさまざまな取り組みがなされていますが、漢字は異体字などの細部の違いなどもあり、数が膨大にあるため、すべてを網羅することが難しいのです。

現在はどうなってるの?

特に人名の漢字はバリエーションが多いだけでなく、個人のアイデンティティーなど、大切に思っていることとの結びつきがあるため、正確な文字の表現が求められています。
100万文字以上の漢字が各自治体の文字システムに外字として登録されているとの調査結果(平成23年)もありますが、「どのように使えるの?」でも述べたように個別の文字環境に登録が行われており、環境を超えた文字データの扱いができず、社会的な弊害も生まれています。世界的に主要言語は標準化されている場合が多く、日本でもデジタル化社会に向けて、標準的に活用できる文字の普及に向けて努力がなされています。

補足:印刷会社の対応

環境を超えた文字データの扱いができませんが、双方の環境を合わせることで外字を再現することが可能です。印刷会社(ここでは弊社を基準)ではお客さまから外字データをご支給頂くか、データをお持ちでない場合はフォントの作成を行い、登録環境(外字テーブル)を整えることで、正確に外字を印刷することができます。 大量の顧客データをお持ちで、宛名の外字にお困りのお客さまはぜひご相談ください。

参考リンク

(web)標準ガイドライン群 | 政府CIOポータル『文字環境導入実践ガイドブック』内閣官房情報通信 (IT)総合戦略室(閲覧日:2019年6月4日)
(web)『文字情報基盤構築事業の概要』経済産業省(閲覧日:2019年6月4日)

https://mojikiban.ipa.go.jp/contents/pdf/mojikiban-setsumeikai-20110616.pdf

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